バイアグラはどこで買えるか、安く買う方法と正規の入手経路をたどる

バイアグラはどこで買えるか、安く買う方法と正規の入手経路をたどる

結論国内でバイアグラを受け取る経路は、医師の診察を経て処方される形に限られます。価格については、薬価が定められているのは不妊治療を目的として保険診療で用いる場合であり、それ以外は自由診療にあたるため公定価格が存在しません。勃起不全の効能又は効果をもつ後発医薬品は承認されていますが、薬価基準には収載されていません。

この記事の要点

  • バイアグラは処方箋医薬品であり、添付文書5.1は客観的な診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定することを求めている
  • 薬価が定められているのは保険診療で用いる場合であり、バイアグラ錠25mgは684.2円、同50mgは927.4円と告示されている
  • 保険が適用されるのは不妊治療を目的とする場合に限られ、令和4年3月25日の通知が7つの要件を定めている
  • 勃起不全の効能又は効果をもつシルデナフィル製剤の後発医薬品は2014年から発売されているが、薬価基準収載品目リストには収載されていない
  • 個人輸入は数量の範囲内で認められているが、他人への販売・譲渡と、他人の分をまとめた輸入は認められていない
  • 個人輸入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の救済対象とならない

バイアグラ(一般名:シルデナフィルクエン酸塩)をどこで買えるのか、より安く入手する方法があるのかという問いに対して、この記事では個々の販売価格ではなく、価格がどのように決まっているのかという構造から整理します。参照するのは、バイアグラ錠の添付文書(2024年7月改訂・第8版)、厚生労働省が告示する薬価基準収載品目リスト、不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いを定めた通知、および医薬品等の個人輸入に関する厚生労働省の説明です。特定の医療機関の料金は扱いません。

薬局やドラッグストアに置かれていない理由は、承認された区分にある

バイアグラが薬局やドラッグストアの棚に並んでいないのは、在庫の都合や販売方針によるものではなく、承認された区分によるものです。添付文書の冒頭には規制区分として処方箋医薬品と記載され、あわせて「注意-医師の処方箋により使用すること」という一文が置かれています。

この区分は、効能又は効果に関連する注意の記載とつながっています。

投与に際しては、勃起不全及びその基礎疾患の診断のため、既往歴の調査や諸検査を行い、客観的な診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定すること。

バイアグラ錠25mg/50mg、バイアグラODフィルム25mg/50mg 添付文書 5.1より

ここで求められているのは、既往歴の調査と諸検査を行うこと、そのうえで客観的な診断を得ること、そして対象を臨床上治療が必要とされる患者に限定することの三つです。いずれも、購入者の側だけで完結する手順ではありません。処方箋医薬品という区分は、この手順が踏まれることを制度の側から担保する仕組みにあたります。

承認番号は錠25mgが21100AMZ00053、錠50mgが21100AMZ00054で、販売開始は1999年3月です。日本標準商品分類番号は87259が与えられています。一般用医薬品として承認されたものではないため、区分が変わらない限り、店頭で選んで購入する形は制度の上に存在しません。

市販されている活力ケア製品は、医薬品とは異なる承認区分に置かれており、承認されている効能又は効果の範囲も同じではありません。区分ごとの範囲の違いは、承認区分ごとの効能又は効果の範囲で扱っています。

診察で確認されるのは、薬を渡してよいかどうかだけではない

処方の場で行われているのは、購入の可否を判定する手続きではありません。添付文書は、投与しないこととされている患者を禁忌として9項目挙げ、併用してはならない薬剤を3群、併用に注意すべき薬剤を5群、それぞれ別の項に定めています。

禁忌には、心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者、重度の肝機能障害のある患者、血圧が一定の範囲を外れている患者、最近6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴がある患者などが並びます。これらは自覚症状の有無で判断できるものではなく、既往歴の聴取と検査を経て確認される事項です。

併用の可否についても同様です。併用禁忌に置かれているのは硝酸剤および一酸化窒素供与剤、アミオダロン塩酸塩(経口剤)、リオシグアトの3群ですが、これらは薬効群の名前で覚えて避けられる範囲を超えています。剤形が複数にわたる成分があり、また相手側の医薬品の添付文書にのみ記載がある組み合わせも存在するためです。処方と調剤の場では、服用中の薬剤名と剤形を突き合わせる照合が行われることが前提に置かれています。

診察を経ない経路で確認されないもの

医師の関与がない経路で入手した場合、禁忌9項目に該当しないかどうかの確認、服用中の薬剤との照合、そして基礎疾患の診断のいずれも行われません。添付文書はこれらが行われることを前提として用法及び用量を定めているため、確認を経ない服用は、添付文書が想定している使い方とは異なる条件下での服用になります。

照合の対象になる薬剤の全体像と、相手側の添付文書にのみ記載がある組み合わせについては、併用禁忌と併用注意の全体像で扱っています。

価格には、国が定めるものと医療機関が定めるものがある

価格を比べる前に確認しておく必要があるのは、この薬の価格が一種類ではないという点です。医療用医薬品の価格には、厚生労働大臣が告示する薬価という公定価格があります。バイアグラとシアリスは薬価基準に収載されており、告示された価格は次のとおりです。

表① 薬価基準に収載されている勃起不全治療薬の薬価
品名規格薬価
バイアグラ錠25mg25mg1錠684.2円
バイアグラ錠50mg50mg1錠927.4円
バイアグラODフィルム25mg25mg1錠974.6円
バイアグラODフィルム50mg50mg1錠1,404.1円
シアリス錠5mg5mg1錠1,078.3円
シアリス錠10mg10mg1錠1,164.6円
シアリス錠20mg20mg1錠1,288.9円

この表は効果の強さを比較したものではありません。規格ごとに定められた薬価を並べたものであり、価格の高低が効き目の差を示すものではありません。

ただし、この薬価が適用されるのは保険診療で用いる場合に限られます。保険が適用されない場合、その診療は自由診療にあたり、薬剤の価格も診察の費用も、それぞれの医療機関が定めることになります。同じ薬について医療機関ごとに異なる金額が示されているのは、この構造によるものです。公定価格が存在しない領域では、どこか一箇所の価格が基準になるということもありません。

価格を比べる段階に入る前に、そもそも受診が必要な状態かどうかという判断が先に来ます。どのような症状のときに医療機関で相談する対象になるのかは、受診が必要かどうかの判断で扱っています。

保険が使えるのは、不妊治療を目的とする場合に限られる

勃起不全治療薬に保険が適用される場合があります。2022年4月から不妊治療が保険適用の対象となったことに伴うもので、取扱いは令和4年3月25日付けの厚生労働省の通知に定められています。通知は、一般不妊治療におけるタイミング法において用いる場合であることを前提としたうえで、7つの要件をすべて満たした場合に限り算定できるとしています。

表② 通知が定めている要件
要件内容
投与する医師原則として、泌尿器科について5年以上の経験を有すること。特段の理由がある場合は、一般不妊治療管理料に係る施設の届出を行っている保険医療機関に限り投与しても差し支えないとされ、その理由を診療録に記載する
他院との連携他の医療機関で不妊症に係る診療が行われている患者について紹介を受けて投与する場合は、紹介元と連携し必要な情報共有を行える体制を有すること
診断関連学会が作成した勃起不全に関するガイドラインの診断アルゴリズムに従い、勃起不全と診断された患者であること
管理料の要件患者又はそのパートナーのいずれかが、投与日から遡って6か月以内に、一般不妊治療管理料又は生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること
1回あたりの数量1回の診療につき、タイミング法における1周期分に限り、かつ4錠以下であること
継続期間繰り返し投与する場合の継続期間は6か月間を目安とし、超える場合は必要性を改めて検討する。継続する場合も原則として初回投与から1年以内とする
処方箋の記載保険診療において処方する場合、処方箋の備考欄に保険診療である旨を記載すること

要件を並べると、この制度が何を対象にしているかが読み取れます。診断の裏づけ、パートナーを含む不妊治療の管理の実績、1回あたりの数量、そして継続期間まで条件が付されており、対象は不妊治療の一環として位置づけられています。

保険が適用される場合があることは、勃起不全一般に保険が使えるという意味ではない

この通知が定めているのは、不妊治療におけるタイミング法で用いる場合の取扱いです。要件のいずれかを満たさない場合、その診療は自由診療にあたります。保険が適用される経路が存在することと、自分の場合に適用されることとは別の事柄であり、該当するかどうかは診察の場で判断される事項になります。

要件のうち診断に関する項は、勃起不全と診断されていることを求めています。診断は、症状の申告だけで成立するものではなく、背景にある要因の確認を伴います。

勃起不全の背景として確認の対象になる要因については、勃起不全の背景にある要因で扱っています。詳細な取扱いは、厚生労働省の不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについてに記載されています。

勃起不全の効能で薬価が定められた後発医薬品は、収載されていない

「ジェネリックのほうが安い」という説明は、薬価基準に収載されている医薬品については成り立ちます。後発医薬品にも薬価が定められ、多くの場合その額は先発医薬品より低く告示されるためです。ところが勃起不全治療薬については、この前提が成立しません。

シルデナフィルクエン酸塩の後発医薬品は2014年から発売されています。たとえばシルデナフィル錠25mgVIおよび50mgVIは、承認番号22600AMX00930000および22600AMX00931000、販売開始2014年9月、日本標準商品分類番号87259で、効能又は効果は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)」と、先発医薬品と同一の記載です。規制区分も処方箋医薬品で同じです。

それでいて、薬価基準収載品目リストにこれらの製品は載っていません。収載されているシルデナフィルクエン酸塩の後発医薬品は1品目のみで、その内容は次のとおりです。

表③ 薬価基準に収載されているシルデナフィル・タダラフィル製剤の分類
品名薬価基準収載医薬品コードの上位効能又は効果薬価
バイアグラ錠25mg/50mg2590018勃起不全684.2円/927.4円
レバチオ錠20mg2190028肺動脈性肺高血圧症577円
シルデナフィル錠20mgRE「JG」2190028肺動脈性肺高血圧症307.1円
シアリス錠5mg2590016勃起不全1,078.3円
ザルティア錠2.5mg/5mg2590016前立腺肥大症に伴う排尿障害40.3円/78.6円
タダラフィル錠2.5mgZA/5mgZA2590016前立腺肥大症に伴う排尿障害14.9円〜59.9円

この表は効果の強さを比較したものではなく、成分と効能又は効果、そして告示された薬価の対応を並べたものです。ここから読み取れることが二つあります。

ひとつは、収載されているシルデナフィルの後発医薬品が、肺動脈性肺高血圧症の薬の後発医薬品だという点です。成分は同じでも、効能又は効果が異なり、コードの上位も2190028で、勃起不全治療薬の2590018とは別です。

もうひとつは、コードの上位が同じでも効能又は効果が分かれる場合があるという点です。シアリスとザルティアはいずれも2590016ですが、前者の効能又は効果は勃起不全、後者は前立腺肥大症に伴う排尿障害です。低い薬価が告示されているタダラフィル錠2.5mgZAおよび5mgZAは、後者の後発医薬品にあたります。なお、バルデナフィル製剤は薬価基準収載品目リストに収載されていません。

承認されていることと、薬価が定められていることは別である

勃起不全の効能又は効果をもつ後発医薬品は、製造販売承認を受け、添付文書をもち、処方箋医薬品として流通しています。承認されていないわけではありません。薬価基準に収載されていないという状態は、保険診療で用いる際の公定価格が定められていないことを意味します。したがってこれらの製品の価格は、自由診療の中で各医療機関が定めることになり、比較の基準となる公的な金額は存在しません。

同じ成分であっても、効能又は効果とコードの上位が異なれば別の医薬品として扱われます。この分け方は併用の可否を確認する場面でも同じように働きます。分類番号による整理は、日本標準商品分類番号による整理で扱っています。薬価は改定されることがあるため、最新の告示は厚生労働省の薬価基準収載品目リストで確認できます。

オンライン診療の料金に、公定価格はない

情報通信機器を用いた診療は、保険診療の中に制度として位置づけられており、算定する場合の点数が定められています。一方、勃起不全治療を目的とする診療は、前述の要件を満たす場合を除いて自由診療にあたるため、診察の費用も薬剤の費用も公定価格の対象外です。

このため、示されている金額の内訳は医療機関ごとに異なります。診察の費用が薬剤の費用に含まれている場合と別に設定されている場合があり、配送に係る費用の扱いも一様ではありません。まとめて受け取る数量によって1回あたりの金額が変わる形が採られていることもあります。1錠あたりの金額だけを取り出して並べても、比較の対象がそろわないという構造がここにあります。

当サイトでは、個々の医療機関の料金を掲載していません。公定価格が存在せず、価格が随時変更されうる領域について金額を掲載すると、確認した時点の値であることが伝わらないまま参照されるためです。掲載しているのは、上の表に示した薬価のように、告示や通知によって定められている値に限っています。

診察を継続して受けられる関係があるかどうかは、服用後に症状が出たときの相談先の有無に関わります。報告されている症状とその経過については、服用後に報告されている症状と経過で扱っています。

個人輸入は、制度上どこまでが認められているのか

個人輸入について、厚生労働省は数量の範囲と条件を示しています。医薬品を営業のために輸入するには承認や許可が必要ですが、一般の個人が自分で使用するために輸入する場合は、一定の範囲内であれば税関の確認を受けたうえで輸入することができるとされています。処方箋薬については、用法用量からみて1ヶ月分以内が、その範囲として示されています。

同時に、認められていない事柄も明記されています。

当然この場合、輸入者自身が自己の個人的な使用に供することが前提ですので、輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。

厚生労働省医薬局 監視指導・麻薬対策課「医薬品等の個人輸入について」より

なお、自己使用によって重大な健康被害の起きるおそれがある医薬品については、数量にかかわらず医師の処方箋等が確認できない限り輸入が認められないという枠組みが別に置かれています。この対象となる品目は通知の別紙に列挙されており、勃起不全治療薬の成分は、この一覧には含まれていません。

制度としての整理は、以上のとおりです。範囲内であれば手続きの上で成立するという意味であり、前の見出しで扱った確認が行われるという意味ではありません。1998年7月に国内で報告された症例では、高血圧・糖尿病・不整脈の治療中で硝酸剤を使用していた60代の男性が、友人から譲り受けた1錠を服用した後に死亡しています。他人へ譲ることは、上に引用したとおり認められていない形にあたります。

数量の範囲が定められていることは、確認が行われることを意味しない

個人輸入の数量要件は、輸入という行為についての枠組みです。禁忌に該当しないかどうかの確認、服用中の薬剤との照合、基礎疾患の診断は、この枠組みの中に含まれていません。添付文書がこれらを前提として用法及び用量を定めていることは、輸入の可否とは別に成立している条件です。

確認の対象として添付文書が定めている警告と禁忌の内容は、警告と禁忌に定められている条件で扱っています。個人輸入の数量要件と手続きは、厚生労働省の医薬品等の個人輸入についてに記載されています。

個人輸入した医薬品は、副作用被害救済制度の対象にならない

制度の面で、もうひとつ位置づけが分かれる点があります。国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品については、適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合に救済を図る公的制度が置かれています。厚生労働省は、個人輸入された医薬品による健康被害はこの救済対象とならないと明記しています。

同じ記載は、厚生労働省が毎年実施している買上調査の資料にも置かれています。この調査は、海外のインターネットサイトで日本国内向けに販売されている海外製医薬品といわゆる健康食品を買い上げ、含有成分を分析するものです。

調査で確認されている内容は、年によって幅があります。国内で勃起不全治療薬を製造・販売している4社が2016年11月24日に公表した合同調査では、個人輸入代行サイトから購入した検体のうち国内外の発注分合計で40.0%(28/70)が偽造品と判定されました。一方、厚生労働省が2026年3月31日に公表した令和6年度の買上調査では、海外製医薬品28製品について表示と異なる医薬品成分は検出されず、偽造医薬品と疑われる製品は発見されなかったとされています。同じ調査で、強壮系のいわゆる健康食品10製品のうち1製品からは、シルデナフィルが1錠あたり66mg検出されています。

この66mgという値は、承認されている用量との関係で意味を持ちます。シルデナフィル製剤の承認用量は1日1回25mgから50mgであり、検出された量はこれを上回ります。医薬品として承認されていない製品から、承認用量を超える量の医薬品成分が検出されたという形です。

調査ごとの数値と分母、調査方法の違いについては、調査で確認された偽造品の割合で扱っています。個人輸入に伴う危険性についての説明は、厚生労働省の医薬品等を海外から購入しようとされる方へにまとめられています。

よくある質問

Qバイアグラは薬局やドラッグストアで買えますか。

買えません。バイアグラは処方箋医薬品として承認されており、添付文書の冒頭には「注意-医師の処方箋により使用すること」と記載されています。あわせて5.1が、既往歴の調査や諸検査を行い、客観的な診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定することを求めています。一般用医薬品として承認されたものではないため、店頭で選んで購入する形は制度の上に存在しません。

Qバイアグラに健康保険は使えますか。

不妊治療を目的とする場合に限って適用される場合があります。令和4年3月25日付けの厚生労働省の通知は、一般不妊治療におけるタイミング法において用いる場合を前提に、7つの要件をすべて満たした場合に限り算定できるとしています。要件には、関連学会が作成した勃起不全に関するガイドラインの診断アルゴリズムに従って勃起不全と診断されていること、患者又はパートナーのいずれかが投与日から遡って6か月以内に一般不妊治療管理料又は生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること、1回の診療につき1周期分かつ4錠以下であることなどが含まれます。要件を満たさない場合は自由診療になります。

Qジェネリックのほうが安いと聞きましたが、薬価は決まっているのですか。

勃起不全の効能又は効果をもつ後発医薬品は、薬価基準収載品目リストに収載されていません。シルデナフィル錠25mgVIおよび50mgVIは2014年から発売され、承認番号をもち、効能又は効果は先発医薬品と同一の記載ですが、薬価は定められていません。薬価基準に収載されているシルデナフィルクエン酸塩の後発医薬品は、肺動脈性肺高血圧症を効能又は効果とする製品の後発医薬品1品目です。したがって勃起不全治療を目的とする場合、後発医薬品の価格は自由診療の中で各医療機関が定めることになります。

Qオンライン診療で処方された薬は正規品ですか。

医療機関が国内で流通している医薬品を処方する形であれば、区分としては国内で承認された医療用医薬品です。情報通信機器を用いた診療は保険診療の中にも制度として位置づけられており、算定する場合の点数が定められています。一方、勃起不全治療を目的とする診療は自由診療にあたる場合が多く、その場合の費用は公定価格の対象外です。診察の費用と薬剤の費用の分け方、配送に係る費用の扱いは医療機関ごとに異なるため、金額の内訳を確認する対象になります。

Q個人輸入は違法なのですか。

厚生労働省は、一般の個人が自分で使用するために輸入する場合について、一定の範囲内であれば税関の確認を受けたうえで輸入できるとしています。処方箋薬の範囲は用法用量からみて1ヶ月分以内です。ただし、輸入したものを他人へ売ったり譲ったりすること、他人の分をまとめて輸入することは認められていません。また、数量にかかわらず処方箋等の確認を要する医薬品が別に定められていますが、勃起不全治療薬の成分はその一覧に含まれていません。範囲内であることは手続きの上での話であり、禁忌の確認や服用中の薬剤との照合が行われることを意味するものではありません。

Q個人輸入した薬で健康被害が起きた場合、救済制度は使えますか。

使えません。国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品を適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合には、救済を図る公的制度が置かれていますが、厚生労働省は個人輸入された医薬品による健康被害はこの救済対象とならないと明記しています。同じ内容は、いわゆる健康食品や海外製医薬品を対象とする買上調査の資料にも記載されています。

まとめ

どこで買えるかという問いに対する制度上の答えは、医師の診察を経て処方される経路に限られる、というものです。これは販売方針ではなく承認された区分によるもので、添付文書は既往歴の調査と諸検査、客観的な診断、対象患者の限定を求めています。

安く買う方法という問いは、価格の決まり方を分けたうえでなければ答えが定まりません。薬価という公定価格が適用されるのは保険診療で用いる場合であり、その保険適用は不妊治療を目的とする場合に限られ、7つの要件が付されています。それ以外は自由診療にあたり、薬剤の費用も診察の費用も各医療機関が定めます。

後発医薬品については、勃起不全の効能又は効果をもつ製品が2014年から発売されている一方、薬価基準には収載されていません。承認されていることと薬価が定められていることは別の事柄であり、比較の基準となる公的な金額は勃起不全治療の領域には存在しないことになります。薬価基準に収載されている低価格の同成分製剤は、肺動脈性肺高血圧症や前立腺肥大症に伴う排尿障害を効能又は効果とする、別の医薬品の後発医薬品です。

個人輸入については、数量の範囲内で認められる形が制度として置かれている一方、他人への譲渡やまとめての輸入は認められていません。そして個人輸入した医薬品による健康被害は、副作用被害救済制度の救済対象になりません。手続きとして成立する範囲があることと、添付文書が前提としている確認が行われることとは、別の事柄として置かれています。

本記事の記載は、バイアグラ錠25mg/バイアグラ錠50mg/バイアグラODフィルム25mg/バイアグラODフィルム50mg 添付文書(2024年7月改訂・第8版、製造販売元:ヴィアトリス製薬合同会社)、シルデナフィル錠25mgVI「キッセイ」/シルデナフィル錠50mgVI「キッセイ」添付文書(2023年12月改訂・第3版、製造販売元:キッセイ薬品工業株式会社)、厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」(令和8年8月1日適用、内用薬)、同「不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて」(令和4年3月25日 保医発0325第7号)、同「医薬品等の個人輸入について」、同「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」、同「令和6年度『インターネット販売製品の買上調査』の結果について」(2026年3月31日公表)、「偽造ED治療薬4社合同調査結果」(2016年11月24日発表、ファイザー株式会社・バイエル薬品株式会社・日本新薬株式会社・日本イーライリリー株式会社)、厚生省「医薬品・医療用具等安全性情報 No.149」(平成10年8月)に基づいています。添付文書および薬価は改定されることがあるため、最新版はPMDA 医療用医薬品 情報検索および各出典元でご確認ください。本記事は情報の整理を目的としたものであり、診断・処方を行うものではありません。